問いづくりのポイント3 社会と学校の架け橋としての学び 


 前回までは、問いづくりについて考えてもらいました。どうでしたか?基本1人での活動が多かったと思いますが、問いをつくることは探究学習のスタート地点でもあります。単に疑問文を作ればいいんだということではないと感じ取ってもらえたと思います。今回は「対話」による問い作りについて考えていきたいと思います。

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「対話」とは?

 皆さんにとって「対話」とは何だと思いますか?ChatGpt3.5に質問してみたところ次のような回答をもらいました。「対話とは、2人以上の人がお互いに意見や情報を交換し合うコミュニケーションの形式です。参加者は、話し手と聞き手の役割を交互に果たし、意見や感情を伝え合うことで相互理解を深めていくこと」と回答されました。ここで大切になってくるのは、話し手の問いかけ方になります。話し手は聞き手からどのような情報を聞きたいのかをまず整理していく必要があります。特に大切なプロジェクトを動かすときはしっかりとしたベンチマーク(指標)を定め、それに沿った戦略を練りながら対話していくことが必要となってきます。

 今回は「対話」をきっかけに聞き手から本音を聞き出すことを学んでいきたいと考えています。探究関係の講演や書籍等で、これからの時代の教師は「ファシリテーター」が理想とよくいわれたりしていますが、そもそも前に出て進行しているだけでは、ファシリテーターとは言えません。場をつくることがとても大切になります。授業の進行を考えること、必ずしも予定調和的になるわけではないので、その場の状況に応じて臨機応変に変更していく力、そして何よりも参加者の考えや気持ちを引き出す力が必要となります。そのような時に、参加者の小さな気づきを促しながら、参加者のメタ認知力を高めていく必要性があります。

「ファシリテーション」:参加者の「気づき」を促すこと。
「メタ認知」:自分が何かを理解しようとしながら,同時に自分自身を理解していくこと。


「具体」と「抽象」を意識する

 高校生を対象にファシリテーションを行っていく場合は、「具体」と「抽象」の領域を常に意識する必要性があります。例えば、具体的な前提条件がない状況で「なぜ、勉強しないといけないのか?」と質問しても、生徒によっては、回答を誤魔化したり、何を答えたら良いかを戸惑ったりする場合があります。そのため、可能な限り事実関係を答えられるように「具体」の問いを行っていく必要があります。つまり、抽象度の高い「Why(なぜ)?」の疑問詞を使わず、その他の4W1Hを活用して、事実関係を質問していくのが望ましいです。(さらにプラスして可能ならば「How(どのように)」の疑問詞も使わない方が良い。)

 また、教師と生徒との対話の場合、生徒は教師を目上の存在としてみています。当たり前のことですが、目上の人には本音を言わないケースが多く見受けられます。それの対応策として、生徒と教師が対等な関係を構築していくことが大切です。

 それでは、事実関係の対話はどのように行っていくのかということですが、問いの形は、「Closed Question」が適しています。事実関係の疑問詞を使い分けながら、生徒たちの考えていること明らかにしていく必要性があるとも思います。また、事実質問を問うということは、基本的に過去に行われたことになるので過去形の形での質問で行うことになります。

事実関係を問うワーク

テーマ 「自分が今,持っているとても大切なもの」

ルール

   ①今、自分が持っているとても大切なものを考える。

   ②「Why(なぜ)」をつかわない4W1Hで事実を聞き出す問いを作成してください。

    (可能であれば、「How(どのように)」の疑問詞も使わないことにチャレンジしてみて下さい。)

   ③相手の回答によっては、内容を変更してもいいので、相手のことをよく知るような問いを考

    えながら対話を重ねてみて下さい。

    準備:相手に問いかける問いを考えてみよう。(Why以外の4W1Hを利用する)

疑問詞考えた質問
When(いつ) 
Where(どこで) 
Who(誰) 
How(どのように) 

それでは、リフレクションを行いたいと思います。

※文章でなくても構いません。文章が苦手なら、単語でも絵でも何でも構いません。

 自由に思いつくまま書いてください。

1 今回の学びで皆さん自身が発見したことを考えてください。

   

2 今回の学びで皆さんが一番印象に残るくらい新しく発見したことは何ですか?

   

3 2の時、皆さんはどのようなことを思いましたか?

   

4 今回、学んだことを皆さんはどのように今後に活かしていきたいですか?

   

   参考文献 中田 豊一 著「対話型ファシリテーションの手ほどき」(ムラのミライ)

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この記事を書いた人

宮城県の公立高校教員として23年間勤務したのち、2024年4月より宇都宮海星学園星の杜中学校・高等学校で勤務。

指導の核としてパブリック・リレーションズの考えをもとに生徒たちに「生きやすさ」を考える授業の展開を心がけている。経済産業省「未来の教室」アイディアソンやJICA主催公開セミナーにて事例発表等にも選出された。また、探究関係の教材開発協力や授業づくりで多くの学校で講演を行っている。地理歴史・公民科教諭。

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