問いづくりのポイント7 社会と学校の架け橋としての学び

 前回は、皆さんの探究を自分ごとして社会と接続するために戦略を考え、皆さんのアイディアをストーリーティングボードに描いてもらいました。本日はそれを「心に響くため」にどうするかという視点を考えていきたいと思います。今回は、短い時間でいかに的確に伝える事ができるかを考えていきたいと思います。問いづくりの「事実を問う問い」を基礎としてどのように考えていくかを考えていきましょう。その方法として「Pitch(ピッチ)」型プレゼンテーションについて学びを深めていきます。主として、私は中間発表の時に「Pitch(ピッチ)」型プレゼンテーションを活用していました。今回と次回で探究活動の中間発表について考えていくことにします。

 「Pitch(ピッチ)」型プレゼンテーションとは、①結論が明確で、②事実に基づいて解釈ができている短時間のプレゼンテーションを指します。このプレゼンテーションは、アメリカのシリコンバレーで生まれたとされる発表方法で、現在では私たちの身の回りの環境でも使われています。

プレゼンテーションとPitchの違い

プレゼンテーション…一般的に多くの人に詳細に説明すること Pitch…短い時間で少数の人に端的に自分の考えを説明する事。1番の目的は、自分の考えに協賛し てくれる仲間を見つけることになります。

 それでは、皆さんの探究で行ってきた内容をどのように「Pitch(ピッチ)」型プレゼンテーションにつくりあげていくのかを考えていきましょう。まず最初にどのように構想していくかをメモにしていきましょう。ここではGTCメモを活用していきます。これは「Goal(皆さんの探究のHAPPYな姿)」、「Terget(皆さんの探究でエクストリームユーザーとする相手の課題)」、「Connect(皆さんがそのエクストリームユーザーにどのようにコミットできるか」をまとめたメモになります。可能な限り、具体的に考えてみてください。(事実関係を問う問いを活用しましょう)

①Goal(皆さんの探究のHAPPYな姿)

②Target(皆さんの探究でエクストリームユーザーとする相手の課題)

③Connect(皆さんがそのエクストリームユーザーにどのようにコミットできるか)

 このGTCメモを活用して、「Pitch(ピッチ)」型プレゼンテーションの型を考えていきましょう。考える場合、GTCメモの「Terget」→「Connect」→「Goal」の順で考えるといいのではないかと

考えます。それでは、「Pitch(ピッチ)」型プレゼンテーションの構成について考えていきましょう。

構成フレームの型は、「フック(導入)」→「ポイント(提案)」→「クロージング(まとめ)」となります。

①「フック(導入)」…GTCメモの「Terget」を意識して、相手が興味関心を持つような言葉から開始していきます。例えば、「もし、○○のようなことできたらとても素晴らしいことになると思いませんか?」

②「ポイント(提案)」…GTCメモの「Connect」を意識して、みなさんたちが探究活動で考えたことをどのようにエクストリームユーザーに提案するかを考えてみてください。あまり長くならず、結論やゴールが明確になっていると良いと思います。

③「クロージング(まとめ)」…GTCメモの「Goal」を意識して、皆さんが探究活動を行いHAPPYになった姿(理想の姿)を強調して話してみてください。

①フック(導入)

②ポイント(提案)

③クロージング(まとめ)

 次回は、発表後のフィードバックから探究活動を再構築していく流れを考えていきたいと思います。それでは、リフレクションを行います。

※文章でなくても構いません。文章が苦手なら、単語でも絵でも何でも構いません。自由に思いつくまま書いてください。

1 今回の学びで皆さん自身が発見したことを考えてください。



 2 今回の学びで皆さんが一番印象に残るくらい新しく発見したことは何ですか?



3 2の時、皆さんはどのようなことを思いましたか?



4 今回、学んだことを皆さんはどのように今後に活かしていきたいですか?



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この記事を書いた人

宮城県の公立高校教員として23年間勤務したのち、2024年4月より宇都宮海星学園星の杜中学校・高等学校で勤務。

指導の核としてパブリック・リレーションズの考えをもとに生徒たちに「生きやすさ」を考える授業の展開を心がけている。経済産業省「未来の教室」アイディアソンやJICA主催公開セミナーにて事例発表等にも選出された。また、探究関係の教材開発協力や授業づくりで多くの学校で講演を行っている。地理歴史・公民科教諭。

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