宿泊施設を通じて人と人とをつなげる

福島県・磐梯町に拠点を置く多拠点居住サービス施設「Living Anywhere Commons 会津磐梯(以下LAC会津磐梯)」において、コミュニティマネージャーを務める蛯名有里さん。「自分らしくを、もっと自由に」をコンセプトに活動する「Living Anywhere Commons(以下LAC)」での活動内容や、蛯名さんの地域に対する想いをぜひお読みください。

目次

LACに携わるきっかけ

 元々「自然」や「身体を動かすこと」が好きだった私は、自然の中で活動ができるフィールドを探していました。インターネットで検索をしていると、偶然「LAC会津磐梯」のコミュニティマネージャー募集記事を見つけたのがきっかけで、「LAC会津磐梯」のコミュニティマネージャーに応募・就任しました。

 「LAC会津磐梯」では、磐梯町の自然の豊かさを活かした合宿コーディネートや地域コミュニティづくりのほか、環境や社会との関わりを意識した取り組みを多く実施しています。「LAC」は、2022年8月現在、全国に約40拠点を構える大規模なコミュニティになっています。「LAC」は、場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)をともに実践することが目的です。「LAC」のメンバーになると、全国各地にある拠点を利用して、好きな時に、好きな場所で働き、暮らすことができます。「LAC」の拠点にはテレワークに適したWi-fi環境やワーキングスペースがあるほか、生活するための宿泊要素も充実しています。「LAC」のコンセプトに則りつつ、各拠点でそれぞれ異なる工夫を施して運営しています。

快適に過ごせる環境づくり

「LAC会津磐梯」が提供する主なサービスは「宿泊」と「コミュニティ」。「宿泊」では、会津磐梯ならではの自然の豊かさを特徴とした、リラックス空間を提供しています。部屋からは四季折々の景色を一望することができ、とことん体を休めて頂くもよし。自然に囲まれながらリモートワークに取り組まれるもよし。どのような目的のユーザーであっても、それぞれが快適に過ごせる環境づくりを行っています。磐梯町の関係人口を増加させるため、磐梯町の知名度を向上させるべく情報収集・発信にも積極的に取り組んでいます。

 また、「LAC会津磐梯」独自で様々なイベント企画を実施しています。過去には「親子ワーケーション合宿」として、お子さんがいるご家族を対象にした企画を行いました。普段お子さんの面倒を見る必要があって家でゆっくり仕事ができない親御さんのために、お子さん達は私たち運営スタッフと遊ぶ傍ら、親御さんは「LAC」施設内の静かな環境で仕事に励んで頂くという企画です。ベビーシッターさんや保育士さんをお呼びしてお子さん達の面倒を見て頂き、一時的に親御さんとお子さんの居場所をしっかりと分けることを意識しました。参加してくださった親御さんからは「普段と異なる環境で仕事をしてリフレッシュになった」「子どもの心配をせずに取り組めて仕事がはかどった」とのご意見を頂きました。

 お子さん達も、安全に好きなだけ遊べる環境をすごく楽しんでくれたようで、親子が共に満足できる企画になったと感じています。そのほかにも、遊びを通じて子どもたちの身体の発育・発達を促進する「こども帝国」というコミュニティも運営しており、2022年9月には「子どもたちへ、初めての感覚・刺激・動きを提供する」ことを目的に大運動会を実施しました。コロナ禍により、子どもたちはなかなか外で遊べなかったり、運動する機会そのものが減ったりと、貴重な成長時期に「チャンス」を奪われている現状があります。また、体を動かして発育・発達を促すことだけが目的ではなく、「発散」の場になればいいなとも考えています。子どもは本当に多くのエネルギーを持っている、発散の場を上手く作ってあげなければ大人になってからもストレス発散の方法がわからず、悩みの種になるケースも多いのです。その他、自治体や企業と連携してまちづくりに取り組むなど、様々なトライアルを行うプラットフォームとしてもご利用頂いています。

「目的の共有」が大切

 私は「LAC会津磐梯」のコミュニティマネージャーとして、施設の運営やイベント実施、地域の面白いプレイヤー同士のマッチングなどを行っています。様々な活動を行う中で、私は調整役を担うことが多いポジションだからこそ、運営の難しさを感じる場面もあります。一番感じるのは、「複数組織が連携するときに足並みを揃える難しさ」。それぞれの組織で、意思決定のスピードや手順、関係者の人数は異なります。これらの条件を揃えるのは難しく、異なる条件の組織が集まって行動をすると、どうしても足並みがずれてしまい、上手くいかないケースが多いです。そこで私は、何よりも「目的を明確に共有すること」を大切にしています。例として、何かのイベントを実施するとき。そのイベントを行う際の目的は、果たして本当に「イベントを実施する」ことでしょうか。いいえ、その奥にある「〇〇にするためにイベントを実施する」という目的こそが大切だと思います。この目的を複数組織間でしっかりと共有していないと、後々目的が異なり、目指すゴールもバラバラになってしまいます。

 イベントをやるとなったら、イベントを通してどうしたいのか。その先に見据える目的を明確化することが重要なのだと学びました。これは一見とても時間がかかり、億劫に感じてしまうことだと思います。そして、組織が大きくなるにつれて、目的の共有に時間が割けない場面も出てきます。そんな時、目的を理解せずに指示を鵜呑みにして終わりにするのではなく、自ら目的や根拠を確認し、想像することで自分がやっている行動の意味が分かり、より活動に力が入れられると思います。これは社会人の話に限らず、高校生の皆さんの学校生活にも活きてくると思うので、ぜひ心がけてみてくださいね。

遊び心を持って解決する

 何かの課題を解決する方法を考えるにしても、深刻に考えすぎると面白くなくなってしまうと感じています。いかに楽しく、遊び心を持って解決するかを意識して、納得するまで課題に向き合い続けてほしいです。納得するまで貫き通すと、後々の人生で必ず自信になります。それも、人から言われたことではなく、自分で決めたことを貫き通すのが大切です。大切なことほど、自分で決める。自分で決めたからには、責任をもってやり通す。この精神を大切に、楽しく、遊びながら生きていってほしいです。

 そして、私たち「LAC会津磐梯」では子どもを対象としたイベントを数多く行っているので、子どもが好きな方はぜひ私たちと一緒に活動してくれると嬉しいです!他にも面白い情報があったらぜひ教えてください。もっとわくわくする地域にするために、皆さんと一緒に動いていけたら嬉しいです。

おすすめの本
今泉忠明 監修/丸山貴史 著「わけあって絶滅しました」(ダイヤモンド社)

人類が生き残ってきた理由や、人類が今後どうやって生き残っていくかのヒントが詰まっている本です。人間の存続に限らず、この世の事象全てが今後どうなるかは誰にもわかりません。だからこそ、大きな流れの中での人間の生存戦略をこの本で学び、自分に置き換えて「人生」という短いスパンで戦略を活かすことができれば、大きな収穫になると思っています。

(本の情報:国立国会図書館サーチ)

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この記事を書いた人

地域で挑戦する人や企業を豊かにすることを目的とした福島創業のチーム。 ライターやデザイナー、映像クリエイター、エンジニア等といったプロが集まり、 各々の専門スキルや個性を活かしながら、関わるお客様や地域の資本を豊かにするため活動している。

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