探究分野解説「職業・仕事」

日本国内に存在する職種の数は約1万7,000種にも及ぶと言われています。身近な職業から、未だ出会ったことのない職業まで、幅広く存在しているのです。皆さん自身が興味のある分野や、得意な事柄を基にしてこのテーマで探究を行うことで、将来に向けて進むべき道しるべが得られるはずです。

目次

「簿記・会計資格と職業」

商店や企業では日々、商品の仕入れや販売、広告宣伝や従業員への給料の支払い、銀行からの借り入れなど、様々な経営活動が行われています。簿記とは、この経営活動を一定のルールに従って帳簿に、記録・計算・整理の技術のことです。簿記による帳簿記録を行うことで企業の経営状態が良いのか悪いのかを判断したり、将来の経営に役立てたりすることができ、企業にとって重要な役割を果たしています。簿記の資格は、高校生から受けられるものから、一定の条件を満たさなければ受験できないものがあります。会計資格にはどのようなものがあるのでしょうか。

税理士

税理士は、お金の専門家として企業や個人をサポートする大切な仕事です。特に、税金に関するアドバイスや、税務書類の作成を行います。例えば、企業の決算や税務申告の手続き、相続税の計算なども税理士の仕事の一部です。また、法律が変わるたびに最新の知識を取り入れて、クライアントに最適な方法を提案するのも重要な役割です。

税理士になるためには、まず「税理士試験」に合格する必要があります。試験は5科目(簿記論、財務諸表論、税法3科目)ごとに分かれており、合格科目を積み重ねていく形で進みます。この試験に挑戦するためには、特定の大学・短大で法律や経済学を学ぶか、簿記や税務の実務経験が必要です。また令和5年度から受験資格が改正され、簿記論、財務諸表論に関しては、どなたでも受験が可能になり、高校生でも挑戦することができます。試験に合格した後は、税理士登録を行い、晴れて税理士として働くことができます。

税理士の魅力は、何といっても「お金のプロフェッショナル」として、多くの人を支える存在になれることです。企業の成長を助けたり、家族の財産を守ったりと、社会に欠かせない役割を担います。また、独立して自分の事務所を開業することもでき、働き方の自由度が高いのも魅力の一つです。税理士の仕事は、コツコツ努力することが求められますが、その分、大きなやりがいを感じられる職業です。

出典:日本税理士会連合会 税理士とは?

日本税理士会連合会 -
税理士とは - 日本税理士会連合会 税理士はあなたの信頼に応えます。 暮らしのパートナーとして 身近にいつでも相談できる親しい税理士を見つけておく

公認会計士

公認会計士は、企業の財務や会計のプロフェッショナルです。特に、企業の経理や財務状況を監査する役割が大きく、会社が正しくお金を管理しているかをチェックします。この仕事は、投資家や取引先、さらには社会全体にとって信頼できる情報を提供するため、非常に重要です。

公認会計士になるためには、まず「公認会計士試験」に合格する必要があります。この試験は難関ですが、特定の大学を卒業することは必須ではなく、高校卒業後からでも目指すことが可能です。試験は「短答式試験」と「論文式試験」に分かれ、経済や会計、法律などの知識が求められます。試験に合格後、2年以上の実務経験を積み、公認会計士として登録されます。

税理士と公認会計士は、お金に関する専門家という点で似ていますが、仕事内容には違いがあります。税理士は主に「税金」に関するアドバイスや手続きが中心ですが、公認会計士は企業の会計監査や経営のアドバイスを行います。大企業の経営状況を見極めたり、成長を支える役割を果たすのが公認会計士の特徴です。

公認会計士の魅力は、その専門性の高さです。会計のプロとして世界中で活躍できるチャンスがありますし、経済の動きを数字を通じて理解できるため、グローバルに活躍する場面も多いです。また、大企業の経営に関わることができるため、将来性のある仕事と言えるでしょう。特に、「お金の動き」に興味のある方はやりがいのある職業だと言えます。

出典:日本公認会計士教会 会計士とは?
https://jicpa.or.jp/cpainfo

中小企業診断士

中小企業診断士は、主に中小企業の経営改善や成長をサポートする仕事です。税理士が税金や財務の専門家であるのに対し、中小企業診断士は企業全体の経営戦略や課題解決を手助けするのが特徴です。経営計画の立て方や、売上を伸ばす方法、経費削減のアドバイスなど、企業が成功するためのさまざまなサポートを行います。

中小企業診断士になるためには、まず「中小企業診断士試験」に合格する必要があります。この試験は、経済学、経営学、財務、法律など、幅広い分野の知識が問われる難関試験です。試験合格後には、実務経験や研修を経て資格が取得できます。

この仕事の魅力は、企業の成長を直接サポートできることです。中小企業の経営者と一緒に課題を解決し、その成果が目に見えてわかるやりがいがあります。また、経営に関する幅広い知識を活かして、経済の活性化に貢献できるのも大きなポイントです。

出典:一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会ホームページ
https://www.j-smeca.jp

簿記検定(日本商工会議所)

簿記検定は、お金の流れや企業の財務状況を記録・管理するための知識を身につける資格です。日本商工会議所が主催しており、3級、2級、1級とレベルがあります。特に3級は高校生でもチャレンジしやすく、基礎的な会計の知識を学べます。

この資格を取得すると、経理や会計の仕事に役立つだけでなく、ビジネス全般に必要なお金の流れを理解できるようになります。将来、企業で働くときや、自分でビジネスを始めるときにも、役立つスキルです。

簿記検定は、将来経理や会計の仕事を目指す人はもちろん、ビジネスに興味がある人や、金融業界で働きたい人にもおすすめです。さらに、大学受験や就職活動の際にも、資格を持っていることでアピールポイントになります。

https://www.jcci.or.jp/support/examination

「職業・仕事」の探究に役立つWEBサイト

厚生労働省「職業情報提供サイト jobtag」

職業について総合的に調べられるサイト。その職業に就くための流れや求められるスキルや、県ごとの就業者数のデータも見ることができて便利なサイト。
https://shigoto.mhlw.go.jp/User

「職業・仕事」の記事を読む

「職業・仕事」の記事一覧

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

探究百科GATEWAYの編集部です。高校生の「探究」に役立つ情報や探究分野の解説、探究の方法について発信します。

目次