キャリアコンサルタント―これからを生きていくためのキャリアの話―

個人の進路・キャリアのサポートを行う専門家・キャリアコンサルタントとしてご活躍されている宮内利亮さんにお話を伺いました。もともとはバックパッカーとして海外を旅していたという宮内さん。自分の軸の見つけ方や気になる過去の経歴のお話についてお聞きしました。

目次

キャリアコンサルタントとは

――キャリアコンサルタントとは?

 キャリアコンサルタントはキャリアの専門家として1人ひとりの進路・キャリアのサポートを行う仕事です。具体的には強みを一緒に見つけたり、キャリアプランを計画したり、やりたいことが見つからないという人と一緒にその方の思いを言葉にして、明確にしていきます。2016年に国家資格となって政府が10万人の配置を計画しています。今は7万人くらいです。今後、変化の激しい社会背景からも、より増えていく仕事になっていくと考えています。

――頼もしいですね。カウンセラーという名前だけだと面談時間だけという感じがしますが、初めての世界に一緒に伴走して応援してくれる方がいたらもっと前向きに行動できそうな気がします。

――長期での転職相談が多いですか。

単発もやっています。転職活動をしている人の相談、強みを知りたいなどの特性分析も行っています。キャリアコンサルタントといってもいろんな働き方があり、会社員で人事をやっていながら社員さんの面談をするためにキャリアコンサルタントの資格を取得する人、大学のキャリアセンターで働いている人などもいます。教育現場にいる人でキャリアコンサルタントを知っている人はすごく少ないです。学校教育の所管は文部科学省、キャリアコンサルタントは働き方の方なので厚生労働省です。学校ではキャリア教育がありますので、そういった時間でも連携していけたらと考えています。

――最近は時代が変化してきて、昔新しいとされてきた仕事が今は下火だったりという話をよく聞きます。その中でどのような職業選びをするとよいのでしょうか。

AIにより、仕事を取り巻く環境が大きく変わってきています。来年にはどうなるかわからないという時代になっているので、変化を前提にしたキャリアプランが必要です。今人気のお仕事は、データ系とかAI処理とかプログラミングや機械学習を専門とする仕事、マーケティングでいうとデジタルマーケティング、あとプロセスの自動化やDX、デジタルトランスフォーメーションといって効率化を大規模に行っていく仕事ですね。

他には情報セキュリティなど、ソフトウェア・アプリの開発。ただ、プログラミングだけでやっていこうとすると簡単なプログラミングはAIが書けるので気をつけないといけません。農業も形が変わり始めていて、主にDXが並行して利益がでるようにデジタル化して事業化しています。あげればきりがないくらいです。

よく軸といいますが、多くの方は職種や業界のことを軸と言うようです。しかし、もっと抽象化して例えば論理的思考やルーティンワークが好き、計画的な仕事が向いているなど、自分の能力を発揮できる場所で働くことをお勧めします。

――今ある職種に自分を当てはめにいくのではなく、自分の特性をその時にある職種にあてはめにいくという感じですね。就職のデータや資料も今までのものがあまりあてにならなくなりますね。「だからといって自分の場所がなくなるわけではない」というのは希望が持てるお言葉です。

夢は「わからない」でもいい

中学の文集で、夢は声優、ラジオのパーソナリティと書いていました。中学生の時、エヴァンゲリオンなど話題になり、声優さんや声優さんのやっているラジオを受験勉強のときなどに聴いていました。

時期によって夢はコロコロと変わりました。あとになって考えてみると、あのときのあの興味がカチカチって今やりたいことに繋がっているのですが、その当時はわからないっていうのがポイントなんです。それでいいと思うんです。興味があるのに我慢しちゃうと最終的に必要なキャリアの情報が自分の中からでてこないからです。

高校卒業後、語学学校の短期留学でイギリスに行ってみました。始めたての英会話とボディランゲージで結構大丈夫でした。初めて大聖堂を見て衝撃を受け、そういえばいろんなところにいろんな建物があることを思い出し、そこから世界中の建物や世界遺産を見に行きたくなりました。日本にもどり、アルバイトで資金をためて海外に行く、というのを繰り返しました。当時はスマホもなく、「地球の歩き方」という本を見ながら旅行しました。カンボジアではアンコールワットに行ったのですが、実はこどものころのゲームに出てきたのを覚えていて、いつか行きたいと思っていたんです。

――同じゲームをした人でも心に残る人もいれば残らない人もいるから面白いですよね。

僕はよく人間の特性をギアの形に例えるんですけど、ギアの形が噛み合うところで反応するけど、噛み合わないと反応はない、ギアの形は一人ひとり違う、同じものをみて同じ体験をしてもカチッとくるかは人それぞれです。だからこそ子供のうちはいろんな体験をしたほうがいいとよく言うのでしょう。

――その後、アルバイトのつもりで入った会社で人事を経験し、独立され現在に至るわけですが、紆余曲折した人生だからこそいろんな人のキャリア相談に乗った際、人としての深みが多くの人を救っているのかもしれないですね。

「13からの地政学」

13歳は急に物事を考え出す時期ですね。この国は土地柄的に戦争が起きやすいなど、その土地その土地に住んでいる人々の性質を学べる本です。日本だけでなく、世界中の話で、大人でも目から鱗の内容だと思います。凝り固まった考えをほぐしてくれるような内容です。

「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書」

人生100年時代という時代をすごくしっかり捉えているなという本です。こどもたちはこういう教育が必要、大人たちはこういう考え方が大事、というまさに僕がやりたい内容が書かれています。

好きなことに向き合ってみよう

好きなことにちゃんと向き合ってほしい。好きなことは何ですか、そこから何を得ていると思いますか、ということをメッセージとして送りたいと思います。人間、ギアの形をしていてカチッと反応するなにかがある、それってキャリアの観点からすると「価値」なんです。

なにか興味があるとそこに行ったりお金を払ったりしますが、何も興味がなく価値を感じていないと行動しないですよね。その反応って無条件で、暑かったら暑いと感じるように、一生変わらないと思います。それがキャリアの軸。子供の頃から反応があります。一番大事なのは興味に反応すること。小学校のときはとにかく広げる。中学生くらいから興味に向かっていくことができる。打ち込むのが苦手ならいろんなものに手を出していけばいい。自分の声をちゃんと聞いてあげること。多分反対してくる大人もいる。それって大人もよかれと思って言っているし、実際にそれが多分正解だったりします。本当にやりたいんだったら口に出して言えるかどうか、行動に出せるかどうか。

うちの娘が卓球をやっているんですが、この前つくば市の大会で優勝したんです。僕はこどものころ絶対できなかったので驚きました。リオオリンピックを見て、こどもが卓球やりたいと言い出したけど、今までピアノなど続かなかったのが、家で紙を丸めたのをずっと打ち始めたのを見てクラブに連れて行くことにしました。今では週6で通っています。まずは紙を丸めてうちわで打ち始めた、それを見た大人を動かした。表現することって大事。思っているだけでは弱いです。説得力が違います。

好きなことが言いにくい、向き合わないこども時代を過ごしてしまった人は、向き合ってくれる、受け止めてくれる大人をさがして自分の好き!を受け止めてもらうことが大事かなと思います。

あなたへの問い

この記事を読んで、あなたは将来の進路をどのように選択しようと考えましたか。理由と一緒に考えてみよう。


【プロフィール】

宮内利亮さん

中小企業で17年努め、人事部長を経て2019年に独立、そこからキャリアコンサルタントを取得して転職エージェントや採用コンサルタントを経て今は個人のキャリアコンサルに特化して活動を行っています。

FM84.2ラヂオつくばにて毎週月曜22時~22時30分放送中様々な研究所の博士や専門家たちにお話を聞いています。

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番組へのご意見ご感想お待ちしています。

scienceexpress@gmail.com

写真提供=宮内さん


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この記事を書いた人

総合科学研究機構総合科学研究員
サイエンス・エクスプレスMC サイエンスコミュニケーター
気象予報士の資格を持ち、お天気の実験教室などを開催。第11、12回気象文化大賞を受賞。

実験の楽しさや自然の素晴らしさ、災害の恐ろしさ、人類や科学のすごさをみなさんと共有していきたいです。この世界はたくさんの知識に溢れている。学ぶってワクワク。一緒に科学を楽しみましょう!

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