
モデル授業で生徒たちが自らビジネスプランを構想
2026年5月25日、仙台城南高等学校(太白区)において、起業家講師による出前授業の本格実施に先駆けて、中高生向け起業家講師による出前授業のモデル授業を実施しました。
今回授業を実施した仙台城南高等学校科学技術科は、IoTやAIなどの先端技術を活用できるエンジニアの育成を目指しています。
担当の鈴木聡教諭は、「これからの社会では、自ら問いを立て、周囲を巻き込みながら挑戦する力がますます重要になります。本校では生徒たちが将来エンジニアとして活躍できるよう、様々な技術を伝えています。工業科だからこそできるアントレプレナーシップ教育を立ち上げようと考え、今回の授業を実施しました」と話します。

今回のモデル授業は、本事業の委託事業者である株式会社オーナーが運営を担い、3週連続で実施されました。1週目は起業の考え方や社会課題の考え方を学び、2週目は身近な課題を情報技術で解決するビジネスアイデアを検討。3週目は生徒が考えたビジネスプランの発表会と起業家講師による講演を行いました。
発表会では、生徒たちが日常生活の中で感じた課題をもとに考えたビジネスプランが披露され、今回起業家講師を務めた株式会社shared代表取締役の難波諒太朗さんがコメントしました。

生徒は「忘れ物を音声で知らせるアプリ」、「GPSを搭載したペット用首輪」、「睡眠の質を改善するアプリ」など、高校生ならではの視点から考えたプランを発表しました。難波さんからは課題を設定した理由や既存サービスとの差別化について助言がありました。
「行動することが大事」起業家講師のメッセージ
続いて行われた難波さんの講演では、ご自身の事業についての紹介や高校生に対するメッセージが送られました。難波さんは東北大学医学部を卒業後、脳科学の知見を生かして教育事業に取り組んでおり、オンライン教育サービスや学習支援アプリの開発を行っています。難波さんは起業のきっかけとして、独学で医学部を目指した経験や、大学時代に塾講師・家庭教師として生徒に教えたことを挙げました。

難波さんは100人以上の生徒の指導を担当し、2000回以上の授業を実施したものの1週間あたりに1人当たりにかけられる時間は2~3時間ほど。「この時間数では生徒が目標を達成するためのサポートに限界がある」と感じたそうです。
そこで難波さんは自分自身の受験経験を振り返り、生徒の生活リズム作りまでサポートできるよう、1週間の時間数である168時間生徒に伴走するオンライン塾「168塾」を立ち上げました。さらに共同創業したメンバーとの出会いや、アプリ開発の進め方について実際にご自身が書いた手書きの構想なども交えて紹介していました。
難波さんは講演の最後に、「アイデアは行動することで形になります。そして行動し続けることが大切です」と話しました。質疑応答では、生徒から「起業はリスクもあるのになぜ起業を選んだのか」という質問が寄せられ、難波さんは「自分にとっては起業はやりたいことを実現するための手段。生徒の目標達成をしたいという目的をかなえるために起業という道を選びました」と答えました。
工業科だからこそできるアントレプレナーシップ教育を
授業後のアンケートでは、生徒から「新しいアイデアを生み出すための考え方を学ぶことができた」、「起業は目的ではなく、やりたいことを実現するための手段だと分かった」、「まず行動することの大切さを実感した」といった感想があり、特に質疑応答の中で難波さんが語った「起業はやりたいことを実現するための手段」という言葉は多くの生徒の印象に残っていました。
今回の授業は、高校の「課題研究」の導入として企画されており、今後は生徒たちが考えたアイデアの実装や検証にも取り組んでいく予定です。鈴木聡教諭は「同一法人である東北工業大学への進学も多く、大学ではすでに起業に関する授業も展開されています。高校・大学のつながりを生かし、産官学が連携したアントレプレナーシップ教育を作っていきたいです」と話しました。

※本記事は、株式会社オーナーが仙台市から受託した「中高生向け起業家講師による出前授業」の一環として制作しました。
