最新の技術を活用し、人と人とのつながりを豊かにするプロダクトを開発する

最新の技術を活用し、人と人とのつながりを豊かにするプロダクトの開発を進めてきた東北大学の学生3人組、rhizome(リゾーム)。最終発表会ではプロトタイプを披露し参加者の注目を集めました。

MiTOHOKU Program期間中、エンジニアでもあるメインメンターとのメンタリングなど、メンターとの対話を通して多くの学びがあったというrhizome。チームリーダーの村上聡さんに、どんな学びや気づきがあったのかお話を伺いました。

目次

MiTOHOKU Programで学んだ「課題解決」の意識

rhizomeのメンバーは村上さんと東北大学工学部の安部央人さん、高橋那々世さん。ヒューマンコンピュータインタラクション、量子機械学習、音声情報処理、という異なる強みを持つ3人は、Yahoo主催のハッカソンにチームで参加して意気投合し、そこで生まれたアイデアをMiTOHOKU Programで磨いてきました。

スティーブ・ジョブズの言葉に影響を受けた村上さん。「人間が使いやすく、コンピュータと人間が1つに同期できるようなサービス」を目指して開発を進めてきましたが、MiTOHOKU Program期間の前半は、「誰にこのプロダクトを使ってもらうかという視点が弱かった」と語ります。

メンターでエンジニアでもある淡路義和さんの「ユーザーの解像度を上げていこう」というアドバイスを受けて「誰に使ってもらうか」を模索する中、転機となったのは10月の中間発表でした。

中間発表でプレゼンテーションを行うと、発表を聞いた複数のサブメンターから「トークイベントの時などに活用できるのではないか」という意見をもらいました。そのサブメンターたちはトークイベントの企画経験を豊富に持っていたものの、参加者の満足度をもっと高める方法がないという課題を持っていました。そこでrhizomeが開発するコンテンツが使えるのではないかというアイデアを村上さんに伝えました。

また、rhizomeのメンバーの安部さんが行う教育事業においてイベントを行う際に、スタッフの人数や時間的な制約から全てのイベント参加者の質問や意見に対応できないという課題がありました。そこで、自分たちが開発していたプロダクトをイベントの場面で使えるように領域を絞って開発することにしました。

村上さんは「それまでは技術先行型で進めていて、課題を解決するという意識や事業化していくという考え方が弱かった。MiTOHOKU Programを通じて実際の課題をヒアリングし、仮説検証していくという意識がチームとして高まった」と振り返ります。村上さんは、MiTOHOKU Programのメンタリングでメンターの淡路さんから教えてもらった、特に印象に残っている言葉があるといいます。それが、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という京セラ創業者・稲盛和夫さんの言葉。村上さんたちは「仮説の構築は厳しく考えよう、でも行動は軽快に実行していこう」というメッセージだと受け取り、もっと積極的に行動していこうという意識を高めました。

チームの力を結集し開発を加速

中間発表会で領域を絞り込んだ村上さんたちですが、中間発表会から最終発表会までの時間はわずか3か月。卒業論文を抱えているメンバーもいる中、学業と並行しながら急ピッチで開発を進めていきました。まずはアドバイスをいただいたメンターへのヒアリングからはじめ、UI / UXもトークイベントの場面で活用できるように変更しアプリを最適化していきました。

AI、音声情報処理、自然言語処理などの技術が短期的にも進化する中で、最新の技術を取り込みながら、3人で何度も集まり開発を進めていきました。これまでも「合宿」を行うなどチームで開発を進めてきた3人ですが、この期間に互いの理解が深まり、結束力は高まり、チームの成熟度が高まっていきました。

そして最終発表会ではプロトタイプを実際に動かし参加者に披露しました。審査員からは「例えば今日のイベントにプロダクトを適応するとしたら、どんな価値をつくれるのか」、「どんな技術を生かしてサービスを開発しているのか」など開発した技術についての質問が続きました。

他のクリエータから刺激を得て、次なる挑戦へ

MiTOHOKU Programに参加した他のクリエータの熱量から刺激を得ることが多かったという村上さん。大学の先輩でもある「perple」や「QueeenB」については「実際の社会の課題の解決を目指していて、私たちよりもフェーズがかなり進んでいる」と感じたそうです。また、自分たちのプロダクトについても、社会の課題を解決していくための責任感を感じたと言います。

MiTOHOKU Programに参加したことで、事務局やメンターのサポート、そして開発資金のおかげで、プロジェクトの開発に集中することができたという村上さん。今後はより実際に活用できる機会を目指し、仮説検証を進めていきます。「未踏IT」や「異能ベーション」などのプログラムにも参加し、外部資金も獲得していきながら開発を進めていきたいと考えています。MiTOHOKU Programで得た「ユーザー視点」という学びをもとに、世の中を変えるプログラムの開発を目指します。

MiTOHOKU Programとは

「MiTOHOKU Program」とは、東北にゆかりのある未踏的若手人材を発掘・育成するプログラムです。「起業家・専門家集団による伴走支援」により、若手人材の「前人未踏」のアイデア実現を支援します。




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この記事を書いた人

探究百科GATEWAYの編集部です。高校生の「探究」に役立つ情報や探究分野の解説、探究の方法について発信します。

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