「まちづくり」 は「仲間づくり」

福島市に拠点を置くベンチャー企業「株式会社オーダーメイドジャパン」代表取締役の中野友登さん。福島県において最多となる5拠点でのコワーキングスペースを運営しています。福島で想いのある仲間を集め、共に地域を変えていきたいと語る、中野さんのストーリーをぜひご覧ください。

目次

◆取り組みのきっかけ

 私は広島生まれで、父が転勤族だったために幼少期から各県を転々としてきました。大学は福島大学へ進学し、入学と同時に福島で1人暮らしを始めました。私は元々人に何かを教えることや、体を動かすことが好きだったため、大学在学中に家庭教師事業やトレーニングコンサルティング等の事業で起業。個人事業主として活動を続け、大学を卒業後も事業を継続させました。徐々にお客さんが「個人」から「企業」へと変化していき、2018年、23歳の時に「株式会社オーダーメイドジャパン」として会社を設立しました。

 オーダーメイドジャパンは、「繋がる人の特別になる」というビジョンを掲げ、地域で挑戦する人や企業を豊かにすることを目的とした福島生まれの企業です。実現する豊かさは大きく分けて3つあり「働く環境の豊かさ」「資本の豊かさ」「心の豊かさ」、これら3つの豊かさを各事業で実現し、繋がった企業や人にとって「あの会社と繋がったから、今の私たちがいる」と思ってもらえるような、価値を提供していきたいと思っています。

 まず、私が福島で挑戦する人や企業を応援したいと思う理由。それは、福島にはどれだけ想いがある人や企業が存在していても、仕事が少ないという現状です。地方になかなか仕事がないために、クリエイターやスキルのある人は都心に流出してしまうのです。福島に限らず、地方のほとんどがこの課題を抱えていると思います。そして、特に東北地方は新しいことに消極的な姿勢が目立つと感じられます。地域で挑戦している人がいても、なかなか応援してもらえないのが現状です。

 そこで私は、地域に想いを持ったスキルのある仲間と共に地域を盛り上げ、面白い企画や仕事が日々生まれるような環境にしたいという思いで会社を経営しています。

◆どんな取り組みをしているか

 私たちの会社では、主にコワーキングスペースの運営を行っています。コワーキングスペースとは、異なる職業に就いている人々がオフィス環境を共有しながら仕事や作業ができる空間です。特定の企業に属していない、個人事業主、フリーランスの方や、在宅ワークが基本の方が多く利用されています。そして、コワーキングスペースは単なる「仕事場」ではありません。コワーキングスペースを通じて人と人が繋がり、新たな仕事やコミュニティを生み出し、地域を変えていく。これこそがコワーキングスペースの一番の魅力だと考えています。

 コワーキングスペースに人が集まり、新たな仕事やコミュニティが生まれると「働く環境の豊かさ」が実現されます。働く環境が整っていれば、「地方には仕事がないから都心に行く」という人が、地方に残って活動できるようになります。そして、働く環境が整っていれば「資本の豊かさ」も実現できる。地方内で完結する仕事だけでなく、都心の人や企業と連携して依頼を多く引き受ける環境ができるため、資本を豊かにする環境が出来上がります。これら2つの豊かさを実現することで、最終的に「心の豊かさ」も実現されると考えています。新たな出会いや仕事が沢山生まれる環境で、自分がやりたいことに全力で取り組み、安定した幸せな生活を築きあげて心をも豊かにする。こうして、会社の3つのミッション達成に向けて、全身全霊で運営に取り組んでいます。

 また、福島に拠点を置いて活動する大きな理由は「地域により大きなインパクトを与えることができるから」です。同じ売上高でも、都会と福島のような地方では地域に与えるインパクトは大きく異なります。地方では自分の活動によって街が変わっていくのをより実感でき、とてもやりがいを感じることができています。

 このように、現在は地域の人や企業を応援することを目的に活動していますが、昔からこの活動がしたかったというわけではありません。小学校から高校まで野球に励み、大学在学中もスポーツ科学を学びながらトレーニングのコンサルティングを行っていた私は、「将来は健康系の複合施設を作りたい」と思っていました。オーダーメイドジャパンを設立前に、その思いをとある経営者の方にお話したところ、私の人生を変える一言を頂いたのです。 

 「君が本当にやりたいのは、健康系の複合施設の運営じゃなく、”誰かに影響を与える人”になることでしょ」。その経営者の方に言われてはっとしました。どうして健康系の複合施設を作りたいのかを考えると、施設を通じて利用者がプラスになるきっかけを与えたいと!思ったからでした。「健康」という分野にこだわらずとも、私は誰かの人生にプラスの影響を与えることを目的としていたことに改めて気付きました。思い浮かんだアイデアそのものに満足して終わるのではなく、そのもっと奥にある「本質」に目を向けて行動することが大切だと教わり、現在でも「本質」を意識して行動しています

◆未来へ向けて・高校生へのメッセージ

 私は、人生で「何をやるか」よりも、「やりきった経験」が何よりも大切だと考えています。高校生の皆さんは、日々の勉強や部活動、進路選択…と様々な活動に取り組まれていることだと思います。その活動に全力で取り組んで、「やりきった」と心から思える経験をしてみてください。皆さんが今後の人生で壁に当たったときに、そのやりきった経験が必ず活きてきます。そして、高校生のうちから色々な大人を見て、経験をして、職業を知って、将来の選択の幅を広げてほしいと思います。数ある選択肢の中から、皆さん1人1人が心から「なりたい!」と思える将来像を見つけ出せることを願っています。

 最後に、私が大切にしている言葉を皆さんに送ります。アフリカのことわざと言われているのですが、「早く行きたければ1人で行け。遠くに行きたければ皆で行け。」どんなゴールに向かって、どんな道を、どう目指すのか。皆さんが心から納得のいく答えを見つけられますよう、私も応援しております。頑張ってください!

探究テーマを広げる問い

あなたが将来実現したい「豊かさ」とはどんな豊かさですか?理由と一緒に考えてみよう。

カテゴリ:地域

◆おすすめの本
「きみが来た場所」喜多方泰

塾の先生がタイムスリップして、自分のご先祖さんと出会うお話です。「こんなに多くの繋がりから自分が生まれたのか」という自分が誕生した軌跡も、奇跡も実感できる素敵な本です。

写真提供=中野さん

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