福島のカフェを拠点に、若者が集まる場を作る

福島市中心部で「Vase ~Stay&Lounge~」というカフェ兼シェアハウスを経営している齋藤友希さん。地元である「福島」で若者が集まれる空間を創りたいと志す、齋藤さんのストーリーや想いをぜひお読みください。

目次

本当に自分がやりたいことは何

 私は福島で生まれ、高校卒業後は仙台にある東北福祉大学へ進学しました。福島から通学していたため、福島以外で生活したことは22年間ほぼありませんでした。

 大学では社会科の先生を目指す学部へ通っていましたが、勉強を重ねるにつれて「私は社会の先生に向いていないかもしれない」と思い、途中で行政の公務員を目指すコースに変更。公務員に変更した理由は、地元である福島市が県庁所在地ということもあって周囲の知人も公務員を目指す人が多かったり、両親からも公務員を勧められていたりしたためです。コースを変更して、公務員の道へ進む…と思いきや、やはり公務員も私の肌に合っていないように感じてしまったのです。思い返してみると、この大学に進学したのも“何となく”「大学に進学したかったから」。公務員を選んだのも「周りに公務員が多い環境で、勧められたから」”何となく”だったと今ではとても感じています。

 本当に自分がやりたいことは何なのか、就職活動の時期に自問自答を繰り返していると、私は旅行が好きだということに気付きました。そこからは、好きな旅行関連の仕事ができる旅行業界に絞って、インターンシップや説明会に何度も足を運び、大学卒業後は大手旅行会社に入社。この会社では、日本の祭り文化をハワイに持ち込み、ハワイで祭りを開催するという恒例行事が行われていました。私はこの行事の営業を担当していたため、「営業で結果を出して、いつかハワイに行きたい!」という夢を掲げ、やる気十分で社会人生活をスタートさせました。つらい時期もありましたが、営業実績を出せたおかげで入社2年目にハワイへ行く夢を実現。とても嬉しく達成感がありましたが、抱いていた夢を達成してしまったことで、私の仕事に対するモチベーションは低下してしまいました。この時期にちょうど新型コロナウイルスが蔓延し、旅行業界も大打撃を受け、私も今後の働き方について深く考えるようになりました。

 地元の同級生の多くは関東圏に就職し、福島にはほとんど残っていない。そんな現状を目の当たりにしてきたからこそ、私は「福島で若者が集まれる空間を作りたい」と前から考えていました。旅行業界の大打撃を受けて今後の働き方を模索しつつ、この想いをどうにかして実現できないかと悩んでいた時に、「福島でシェアハウス・ゲストハウスを創りたい」と考えている方と知り合い意気投合。ゆくゆくはカフェを経営してみたいという気持ちがあった私は、シェアハウスとカフェを合わせた若者向けの空間を作ろうと志し、2020年10月に旅行会社を退社して翌月11月末に「Vase ~Stay&Lounge」(以下Vase)をオープンさせました。

◆多様な職業観・人生観を広げる

 Vaseの1階はカフェラウンジ、2~4階は共同で住めるシェアハウスになっています。カフェの営業時間は10:00~18:00で、月に数回17:00~21:00の時間帯にバーとしても営業しています。Vase公式のInstagramにて、詳しい営業日やメニューについて発信しているので、ぜひご覧下さい。シェアハウスは最大9名まで住み込み可能で、現在20~30代の若い世代の方々が入居してくださっています。

 また、カフェとシェアハウスの運営以外にもイベントも数多く開催しています。Vaseのカフェ部分を利用して、過去には「ラテアート教室」や「ワークショップ」、「ハンドメイドアクセサリーの販売」なども行いました。そして2022年9月には2日間で来場者4,500名を超えるコーヒーフェスティバル”THE COFFEE’S”を開催しました。これは、福島市内外のロースタリー、カフェが集結する他、フードや音楽、ショップ等様々なコンテンツとコラボする新しい形のイベントです。毎年開催していく予定です。このようなイベントを通して、普段関わる機会がない同年代の仲間との交流を通して、それぞれの「やりたい!」に素直に挑戦できる環境を創っていきたいと考えています。

 カフェの経営をしてみると、福島市にはまだカフェ文化が十分に浸透していないことや、経営そのものの難しさを改めて実感する場面が多くあります。新しい挑戦をするとき、いつも「福島で通用するかな?」と不安にもなります。しかし、そんな困難をも乗り越えなければと思わせてくれるのは、Vaseを必要としてくれる若者の声です。「若者が集まれる場所」をコンセプトに創った空間なので、実際に集まってくれた若者がVaseをハブ空間として新たな挑戦をする姿を見ていると、頑張っていてよかったと心から思えます。どんなに気分が落ち込んだ時でも、SNSの発信を欠かさないこと、いつも通り笑顔で営業をすることなど、諦めずに継続することの大切さを実感しました。

 また、福島の課題は「学生が多様な職業観・人生観を知らずに進路を選択してしまっている」ことだと感じています。「先生が勧めるからとりあえず進学」「周りの友人が関東に行くから私も…」そんな声が沢山聞こえてきます。私自身も、学生の頃は学校と家庭以外の大人と関わる機会がなく、見える選択肢の幅は非常に狭いものでした。そのため、“何となく”で進学し、コースを変更し、就職し、今に至るわけですが、もっと早い段階で様々な人の職業観や人生観を知っていたら、より早く挑戦できていただろうなと思います。

「福島で挑戦するのは厳しい?」いいえ。福島には、挑戦し続ける若者が沢山います。福島で挑戦する若者が集い、「やりたい!」を互いに叶え合う環境がVaseそのものです。高校生の皆さんにとって今後の人生を大きく変える、誰かの職業観や人生観を、ぜひVaseで見つけてください。今後、Vaseにより多くの若者が集まり、素敵な出会いが日々生まれる環境となれるよう、私もいち挑戦者として邁進し続けます!

「やりたい!」に挑戦する

「こういう人になってみたい!」という憧れの人を見つけるのが大切です。職業や性別は関係なく、「この人の考え方かっこいい」「こんな風に生きてみたい」と思う憧れの人を見つけ、その人の生き方に近づける努力を重ねることで、絶対に皆さん自身の成長にも繋がります。

 最後に、福島には皆さんを応援する人が私を含め沢山います。福島を、皆さん1人1人の「やりたい!」を叶えられる環境にできるよう、私も一生懸命頑張ります。皆さんが悩んだ時はぜひ、Vaseに相談しに来てください。皆さんがこれからの人生で「やりたい!」に素直に挑戦してご活躍されること、心から応援しています!

◆おすすめの本
LDH JAPAN「LDH OUR PROMISE」(小学館)
自分の生きてこれた糧の1つに、「EXILE」の存在があります。シンプルに1ファンとしてエンターテイメントを楽しんでいたのはもちろん、大人になっても”夢”という言葉を公言して努力する姿をとても尊敬しています。EXILEだけでなく、EXILEが所属する音楽事務所「LDH」に所属する数々のエンターテイナーの素敵な言葉達がこの本には記されてます。
これから夢を持ったり、夢を目指したりする高校生にぜひ読んでいただきたいです。Vaseでも読めますので、興味がある方はぜひお越しください。

(本の情報:国立国会図書館サーチ)

写真提供=齋藤さん

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この記事を書いた人

地域で挑戦する人や企業を豊かにすることを目的とした福島創業のチーム。 ライターやデザイナー、映像クリエイター、エンジニア等といったプロが集まり、 各々の専門スキルや個性を活かしながら、関わるお客様や地域の資本を豊かにするため活動している。

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