肉屋が作る「とみや丼」を地域の名物に

かつて宿場町だった面影を残す富谷市の「しんまち」エリアで精肉店の店長をしている蜂谷真望さん。富谷のご出身で「しんまち」エリアの活性化に携わり、2021年にオープンした「とみやど」の中でお肉を活かした飲食店をオープンしました。蜂谷さんに富谷への思いや飲食店にチャレンジした理由を伺いました。

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地域を盛り上げる楽しさ

1967年に創業した富谷市の「しんまち」というエリアで、精肉店「ハチヤミート」の店長をしています。牛肉や豚肉など、安くておいしいお肉を販売しています。この「しんまち」というエリアは、かつて「奥州街道」の宿場町として栄え、江戸時代には75軒ものお店が立ち並んでいたといいます。今も古い建物が立ち並び、宿場町の風景が残っています。私の祖父がここでお肉屋さんを始めたのですが、子どものころからよく遊びに来ていました。

富谷市の地域活性化に関わるようになったのは、2018年に富谷市が企画した起業について学ぶ塾に参加したことでした。起業について学んでいる仲間たちと一緒に公園にお花畑を作ったり、梅林の草刈りをして梅を収穫してシロップを作ったり、地域を盛り上げる楽しさを知りました。翌年からはこの「しんまち」エリアの活性化を考える会議にも参加して、この街をどんな街にするか、住民の皆さんとのワークショップを重ねてきました。

そして2021年に富谷宿観光交流ステーション「とみやど」がオープンしました。お肉屋さんとは200メートルほど離れた場所でした。かつて醤油店だった跡地がリノベーションされ、イベント広場やステージ、芝生広場などもあります。

この「GATEWAY」でも「とみやど」のお店が紹介されていますが、出店するお店の募集があり、「肉屋だからこそ、お肉を使って何かやろう」と飲食店「HACCHIME(ハッチミー)」をオープンしました。ここの店長は妹が務めています。

「とみや丼」を富谷の名物に

「HACCHIME」では、自慢のお肉をたくさん使った定食を出しています。お肉をたくさん食べてぜひ元気になってほしいです。看板メニューは「とみや丼」。富谷市産のお米の上に甘じょっぱいタレで炒めた宮城県産の豚バラ肉をたっぷりと載せた、ボリュームたっぷりのメニューです。

この「タレ」味に加えて、夏でも食べられるようにさっぱりとした「塩」味や、富谷の酒蔵「鳳陽」さんの酒粕を使った「味噌」味と現在3種類の「とみや丼」をご提供しています。他にも唐揚げ定食やヒレカツ定食、チキン南蛮定食などお肉たっぷりの定食を提供しています。男性の常連さんが多いですが、いつも同じメニューを食べていただいています。

私たちは「とみや丼」を富谷の名物にしたいと考えています。冨谷市は「スイーツの街」ということでブルーベリーやはちみつなどはありますが、食べ物の名物はそれほど多くないと思っています。宮城県だと例えば亘理町に「はらこめし」という鮭とイクラを使った名物料理がありますが、富谷にはありません。例えば「とみや丼」が色んな店舗で提供されたら面白いのではないかと考えています。

お肉屋さんでも「HACCHIME」でも「インスタグラム」での発信を心掛けています。富谷丼や肉の赤身の「映え」を意識して発信をしています。やってみて驚きましたが、結構遠くからでもお店に来てくださるのでありがたいです。

富谷市の「人」の魅力

富谷市は「人」が魅力です。困った時に助けてくれたり、何かやろうと思った時に協力してくださる人がいる、富谷の「人」の魅力を感じています。お城があるわけでもなく、有名な文化財があるわけではない。だから「人」が大切なんだなと実感します。

私はずっと富谷に住んでいます。「とみやど」でお店をされている店主さんには、もともと市外や県外に住んでいた方がいらっしゃいますが、本当にいい方に来ていただいたと思っています。

「とみやど」もオープンから1年が経ちましたが、新型コロナでなかなかイベントができていません。ただ、まだまだできることはたくさんあると思うので、この「とみやど」を拠点にしながら、まちに賑わいが生まれるといいなと考えています。

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この記事を書いた人

東京大学教育学部卒業後、全国紙の新聞記者として広島総局・姫路支局に勤務し事件事故、高校野球、教育、選挙など幅広い分野を取材。民間企業を経て、2021年に株式会社オーナーを起業し、本教材「探究百科GATEWAY」を開発し編集長を務める。

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